オクラの作り方(畑の準備)

オクラ

オクラの栽培方法

栽培手順について説明していく前に大前提のお話をしておかなくてはいけません。それは何か?と言うと、オクラを栽培する畑の土についてです。どんなに良質な肥料を与えても、どんなに微生物が豊富で健康な畑でも、そもそもオクラの栽培に適さない畑の土で栽培していても良質な野菜はできません。

 

オクラの栽培に適した土      適さない土

◎黒ぼく土            △砂地

○赤土(サラサラ・玉)      ×粘土

 

日本の畑の土は大きく4パターンに分類できます。その中でも①水はけが良く②通気性があり③保水性があり④保肥力がある土が良い土とされています。適さない土とした粘土は水はけが悪く、根に十分な酸素が行き届かず、常に多量の水分に囲まれてしまうので根ぐされを起こしてしまいます。砂地は水はけが良すぎて水分不足になったり、肥料の流亡が多いことが問題とされています。

 

オクラを栽培する際は赤土・黒ぼく土の畑を選びましょう。砂地ならば、まだ救いがありますが、粘土での栽培は絶望的だと思いますので避けましょう。

 

オクラの栽培手順 ①土づくり(堆肥)

 

まずは、畑に堆肥と肥料を入れてよく混ぜ込みましょう。堆肥には牛フン・豚プン・鶏フン・バーク・もみがら・生ごみ等がありますが、土づくりと言う観点から言えば、向いている堆肥とそうでない堆肥があります。その基準は有機物が含まれているかどうか?です。

 

豚や鶏は配合飼料(麦粉、トウモロコシ、ビタミン剤、大豆粉など)だけで飼育されている場合が多く有機物が含まれていないため、土づくりの観点から言えば向いていません。豚プンや鶏フンは有機肥料として畑にまくことになります。

 

牛は稲ワラを食べているし、バークは腐葉土の塊、もみがらにはもみがらが、生ごみには野菜くずが入っているので、有機物が含まれた土づくりのできる堆肥と言えます。私のオススメとしては手頃な価格で、どの地域でも手に入る牛フン堆肥です。堆肥は肥料と違って多投するので、手頃なものが良いと思います。

 

オクラの栽培手順 ②土づくり(肥料)

まず、肥料は化成肥料にするか、有機肥料にするかの問題がありますが、これはどちらでもいいです。有機肥料で栽培する場合のメリットを挙げますと、①諸説ありますが一般論として化成肥料よりも安全性が高いと言うことがあります。それは、ガンの原因ともされている硝酸態窒素を化成肥料より低く抑えられるからです。ただ、一般に流通している野菜の99%が有機栽培でない野菜と言うことを考えると、化成肥料で栽培された野菜だからガンになりやすいと言えば言いすぎだと私は思います。②有機肥料で作った野菜のほうが味、栄養価が高くなる傾向にあります。それは、有機肥料が光合成の結果に得られる炭水化物をあらかじめ持った肥料だからです。化成肥料では光合成の結果に得られた炭水化物を使って、糖度を高めたり、栄養価を高めたりするのに対して、有機肥料は光合成+肥料から得られた炭水化物を使って糖度・栄養価を高めますから、その分、糖度・栄養価ともに高まる傾向にあります。また、余分な炭水化物が細胞壁になって、虫害・病害を防いだりする効果もあります。

 

微量要素とその役割についても触れておきます。微量要素は入れない方も多いですが、入れればそれだけの効果があります。余裕があれば入れておきましょう。

 

絶対入れたい

石灰(カルシウム)=Ca

土壌酸度の矯正・細胞壁の強化・根の伸長

苦土(マグネシウム)=Mg

光合成の促進・リン酸の代謝

できれば入れたい

鉄=Fe

酸化還元反応・呼吸の手助け

マンガン=Mn

炭酸ガスの吸収・葉緑素の生成

ケイ酸=Si

細胞壁の強化

ホウ素=B

細胞の接着剤・炭水化物やたんぱく質の代謝

入れても入れなくても

銅=Cu

ビタミンCの合成・たんぱく質の合成

モリブデン=Mo

窒素の固定・ビタミンCの合成

亜鉛=Zn

細胞分裂に関与・成長ホルモン

 

実際の肥料の量(例)(10a=1反あたり)

 

パターン①(慣行栽培・お手頃)

牛フン堆肥 2000kg

化成肥料14-14-14 60kg

苦土石灰 100kg

 

パターン②(慣行栽培・しっかり)

牛フン堆肥 2000kg

化成肥料14-14-14 60kg

炭酸カルシウム 40kg

ケイ酸カルシウム 40kg

苦土石灰 100kg

Sミネカル 60kg

 

パターン③(有機肥料)

牛フン堆肥 2000kg

有機肥料8-5-3 140kg

炭酸カルシウム 60kg

有機石灰 60kg

苦土石灰 100kg

Sミネカル 60kg

 

パターン④(私の場合)

牛フン堆肥 1500kg

有機肥料8-1-3 100kg

天然草木灰 20kg

有機石灰 160kg

古代天然苦土 60kg

マグキーゼ 60kg

Sミネカル 100kg

アイアンパワー 20kg

FTE1号 5kg

 

上記の中からお好きなパターンを選び、畑に肥料をまんべんなくまきましょう。パターン①が最も簡単で価格も安く済みます。パターン④はプロの有機肥料主体オクラ農家の例になりますので参考までに・・。

 

肥料をまき終わったら、十分に耕しましょう。トラクターや管理機があれば便利ですが、無ければクワとスキでも大丈夫です。安い管理機だと3万円ぐらいからあります。土とよく混和して、肥料濃度の濃い薄いがないようにしましょう。

 

耕し終わったら、畝作りをします。台風の後でも水たまり1つできないような排水性の極めて良い畑ならば低い畝でも大丈夫ですが、水たまりができるような畑の場合は高い畝を作りましょう。畝の高さは30cmほどあれば安心です。畝はベットとも呼ばれます。寝ているときに浸水したら嫌ですよね^^;安心して眠れる高さにしておきましょう。

 

畝を立てたら、マルチを張ります。草を抑えることが一番の目的ですが、他にも乾燥を防いだり、春先の地温を高める効果があります。一番安くてお手頃な黒マルチでOKです。お高いですが、シルバーマルチを使うとアブラムシを抑制する効果があります。

 

ここまでの畑の準備が終わったら、いざ植え付けになります。次項、オクラの種まきから初期管理について解説します。

 

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